波乱の予感

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陽斗「ねえ真白君?」 帰り道、会長のリムジンに乗りこんで右京以外の四人で帰る。 陽斗は隣にいる真白に声を掛けたのだが…… 陽斗「………真白くん、眠たい?」 真白くんはうとうとして、今にも前に倒れそうになっていた。 そっか……遊びすぎて疲れちゃったんだなぁ… 真白「ひなと…く……?」 意識も手放しそうになりながらも、朧げな瞳を向ける真白君に 陽斗「肩に寄りかかっていいよぉ」 そう言って軽く自分の方に引っ張ると、 真白くんはコテンっと俺の肩に倒れてくる。 陽斗「……お休み。真白君」 そして頭を撫でると、次には規則的な寝息が聞こえる。 朱里「兄弟みたいだな。」 そう言う委員長に、ふふっと笑う。 陽斗「こんな頼りない兄でいいのかなぁ…?」 そう呟いて、真白君の寝顔を見る。 まるで天使のようなあどけない寝顔に、ついつい頬が緩む。 今日は…楽しかったな… そして今日の思い出に思いを馳せる。 いっぱい、ズルい事しちゃったなぁ…… 会長には悪いことしちゃったし…… でも、真白君の事を少し身近に感じられた気がする。 そして、自分の気持ちの整理もしっかりついた。 ただ1つ気がかりだとしたら………… 陽斗「……………次は………いつまでだろう」 右京の事だ。 次は……俺たちからいつまで右京を奪うつもりなんだろう…… 表情を曇らせる陽斗に、真白はまだ何もしらないまま…… 心地よい夢に浸っているのだった。
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