そろそろ学校に慣れましたかね。

8/18
前へ
/300ページ
次へ
咲真「真白っ…!」 咲真くんは僕をギロッと睨むばかりです。 そんな目線に、胸がぎゅっと痛くなりました。 陽斗「咲真くん。停学明けでしょぉ?今は大人しくした方が良いんじゃない?」 それに庇うように陽斗くんが目の前に来て、 藤咲「咲真っ…部屋に戻ろう?」 藤咲くんが見えないですけど、咲真くんの方に行ったみたいです…… 紫桃「はぁ……仕方ない。親衛隊の制裁の件も、茅野が停学明けに問題を起こそうとしたことも今回は黙認してやろう。ただし、次は無いと思え。」 風見「お前らっまだ制裁はダメって言ったのに…っ」 「すみません…でも…」 風見「この事は後で親衛隊会議で話すよ。」 風見くんといいんちょがお互いにそう牽制して、風見くんは親衛隊の人達を連れて行ってしまいました。 そして咲真くんと藤咲くんも帰ってしまいます。 残された陽斗くん、いいんちょ、僕の三人。 紫桃「あまり話は出来なかったが。これからまた波乱が起こるだろう。今日はゆっくり休め。」 いいんちょは僕と陽斗くんの頭をなでなでして、そして優しく笑って校舎の中に戻っていきました。 ぼけーっと見つめていると、陽斗くんにもにっこりと笑われます。 陽斗「僕たちも寮に戻ろっかぁ」 その優しい声に、僕は自然に頷きました。 ーーーーーー 帰り道。 無言で歩く陽斗くんに、パタパタと着いていきながら僕はぎゅっと陽斗くんの袖を引っ張りました。 陽斗「ん?どうしたのぉ?」 首をかしげる陽斗くんに、つい俯いてしまいます。 今日の出来事はとてもとてもビックリしました。 咲真くんの強い視線に、ぞくりとしました。 真白「僕は、何ができるのでしょうか…」 そして、 ………とてもとても不安になりました。 そういう僕に、陽斗くんはいいんちょと同じように優しく頭を撫でてくれます。 陽斗「真白くんが正しいと思った事をすれば良いんだよ。」 でもその為には、一歩前に進まなきゃね。 陽斗くんの言葉に、僕はまた俯くことしか出来ませんでした。
/300ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1422人が本棚に入れています
本棚に追加