そろそろ学校に慣れましたかね。

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『泣くな。泣くと幸せが逃げるんだ。   ……ほら、笑え。ましろ…』 懐かしい、声が聞こえる。 これは夢の中でしょうか…? でも、まるで現実と間違えそうなくらい… 聞き覚えのある……声。 真白「ん……」 ぼんやりと目を開けると、見覚えのある天井。 そして周りをちらっと見てみると、そこは右京さんの部屋でした。 今は何時でしょうか……? 昨日、泣いたあと…また寝ちゃったのでしょうか… ごろりと寝返りをうってみると、僕とは違う大きな背中が見えました。 右京さん…?でしょうか。 そして寝返りをうった時に見えた時計はまだ午前の5時を指してる。 もうちょっと…寝ましょうかね… 真白「ぅ…さむい…」 朝早いせいか、外で聞こえる雨のせいか。 ぶるっと身震いした真白は… 真白「うきょ…さん…」 もぞもぞと動いて右京に引っ付く。 あったかいです… 安心する…右京さんの体温です… 覚醒しかけた意識がやがて遠のき…2度目の睡眠に入ろうとした… その時、 真白「うみゃっ…」 寄り添っていた背中が突然動いた。 右京「………水飲んでくる。」 突然起き上がった右京さん。そのことにビックリして、僕も眠気が引っ込んでしまったのです…! 真白「む……寝ようと思っていたのに酷いです右京さんっ……」 口をぷくっとして怒ってみせれば、何故かすごい大きなため息をつかれてしまいました… 右京「今日も学校だろ。昨日、風呂入らずに寝たんだし……大浴場でも行くか?」 だけど、右京さんの言葉でそんなの吹き飛んじゃいます。 大浴場!?そんなものがあったのですか!! 真白「行きます…っ!!」 嬉しくてそう何回も首を縦に振れば、何故かまたため息をつかれてしまいました…! むぅ…理不尽です!!! ーーーーーー 真白「こんなところにあったのですね…!」 大浴場の入り口に入ると、ロッカールームに入りました。 ここが脱衣場ですかね…? 右京さんは何も言わず、ただ無言でロッカールームを歩き、温泉へのドアに一番近いロッカーに荷物を入れていく。 それを真似っこするように、僕も隣に荷物をいれました!
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