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確かに、今の会長になってから色々制度が変わった。
親衛隊を原則としてSクラスに入れないようにすること。
それはずっと、自分と親衛隊を一緒のクラスにしたくなかったからだと思っていた。
だけど、
羨望の的であるSクラスに親衛隊が入ってる事に対しての恨みもあったのだったら。
……親衛隊をSクラスに入れないことが懸命な判断だ。
それと、役職をつくのは高2になってからという制度。
それを全ての者が役職についても良いということにしたのは、
学年関係なく、前会長のような輩から早く会長の座を奪いたかった悔やみがあったからだとしたら。
「やはり会長様は素敵なお方…」
「優木さま!僕たちは前会長と同じ思いをこのお方に向けているのではありません…!」
「このお方に、僕はついていきたいと思ったんです…!」
頭がスーっと冷めて、周りの隊員達の声がよく聞こえる。
前の会長の時も洗脳されたかのように悪く言わなかったから、今回も同じだと思ってたのに…
優木「ははっ…」
自然と笑みが出た。
そして、前親衛隊長の嬉しそうな笑顔が脳を掠める。
優木「どうやら、俺が間違っていたようっすね」
あの人の為に、親衛隊長の為に…
そうずっと力んでいた肩が、やっと緩んだ気がした。
そして改めて問う。
優木「失礼な事をしてすみませんでした。………それで、親衛隊の今後のあり方をどうするおつもりっすか…?」
今度はちゃんと、
会長の真剣な瞳を見つめることが出来た。
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