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珠稀「おー誠くんも宅飲み参加なんか」
紫桃の部屋に入ってきた珠稀は、緊張した面持ちで座っている渋谷に声をかけた。
渋谷「はい。紫桃様にお誘いを頂いて…」
渋谷の返事に、おーと返事して珠稀は渋谷の隣に座る。
それを呆れるように、紫桃が見つめた。
紫桃「珠稀、宅飲みなんて言い方はどうにかならないのか。」
その言い方では、風紀の名に恥じる。
そう睨めば、珠稀はやれやれとあからさまに眉を下げた。
珠稀「ほんま、朱里は真面目なんやから。飲んでるもんが酒やなくてお茶なんやからおっけーやって」
目の前に出されたお茶を、珠稀は美味しそうに飲んだ。
宅飲みなんて珠稀が言ったが、本当は紫桃が趣味でやっている茶道のお抹茶を出しているだけだ。
渋谷「さすが紫桃様。見事な御手前です。」
初めてお茶会に参加する渋谷は、一口飲んでキラキラした目で紫桃を見た。
その様子では、明らか初めて口にしたような感じで…
珠稀「なんや、誠くん初めてなんか?」
毎度毎度お抹茶をいただいてる珠稀は不思議そうに紫桃を見つめた。
紫桃「趣味で少しやっているだけだ。人様にそう易々と出せるわけないだろう。今日は渋谷と話をするために呼んだだけだ。」
紫桃は淡々と答えるが、
これ、俺の事その人様の分類に入れてないって事よな?
その事に苦笑いをして、いつもの事だと軽く受け流す。
珠稀「んで、話ってなんや?」
そして渋谷も気になっているであろう事を、珠稀は紫桃に尋ねた。
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