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その時間が長く感じる。
頭を上げれば、好奇の眼差しから…驚きへと変わっていた。
いける。そう感じて、風見はやっとマイクで言葉を発した。
風見「今頭を下げたのは、今までの旧親衛隊から生徒の皆さんへの謝罪の為です。」
思いを伝えるだけでいい。
その会長様の言葉通り、思いを伝える。
風見「親衛隊の歴史は長いです。そしてその間…悪い噂が出ても仕方がないような事もしてきました。」
何年か前は、本当にひどかった。
風見「ついこの間まで、制裁が行われていたのも事実です。」
だけど、
風見「仕方がない。なんて僕から生徒の皆さんに言うつもりはありません。」
だってそれは、本当に間違った事だったから。
それを、真白様に教わったから。
風見「親衛隊の皆は、今は変わる事を望んでいます。もう悪い噂なんてたってほしくない。純粋に、親衛対象の方を応援して、好きでありたい。」
泣きそうになって、もしかしたら声が涙声になってるんじゃないかな…
なんて思ったけど、
止めるつもりなんて無かった。
風見「だから、今までの親衛隊から変わる為…親衛隊は解散します。そして、新しく、ただ純粋に人を好きになれるような親衛隊を…公式親衛隊として組織します。」
僕の思いが、届くのなんて分からない。
お願い、届いて。
頬をとうとう伝った滴が、床にポタリと落ちていった。
もう一度、頭を下げる。
風見「今頭を下げているのはっ…これからの親衛隊をどうか認めてもらえないかというお願いの為です。僕らに、もう一度チャンスを下さい。」
全員の顔が見えないから、床しか見えないから…余計怖い。
風見「お願いしますっ…僕らを…新しい親衛隊でいさせてくださいっ…」
届け。
ただただ、願った。
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