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驚いて咄嗟に振り向くと、
強い瞳をした、真白様でした。
真白様はマイクを両手に持ち、そして軽く息を吸う。
真白「皆さん。僕の話を聞いてくださいっ…!」
ただ目の前を見て、真白は生徒たちに言葉を発した。
途端、皆は話すのをやめて真白に注目する。
予想していなかった人物に、皆は真白をただじっと見ていた。
真白「親衛隊が嫌いですか、許しませんか…」
そして発した言葉は、いつもの様子からは考えられないような感情的な声。
フルフルと震えてる手は、怒りなのか怯えなのか。
近くにいた風見ですら、それは分からなかった。
真白「僕はっ…ずっと此処にいた訳じゃないから今までの事を聞いたことくらいしか知りませんっ…!だけど、」
だけど、
真白「僕は、親衛隊の一人一人に対して…悪くないって思いました。」
直接接して、ちゃんと考えて思ったから。
どうしても聞いてほしくて、前に出て話してしまったけど。
絶対退いちゃだめ。強くなるって決めたんです。
そう意気込んで、言葉を続けた。
真白「親衛隊の噂は、親衛隊の誰が悪いことしたとかそんなんじゃないですよね…?親衛隊は悪い。そういう組織自体を批判してるんだな…って僕は此処に来て思いました。」
でもそれじゃあ、本当に親衛隊の者達が悪いなんて言えないんじゃないんでしょうか。
真白「親衛隊という悪いものを、親衛隊隊員が必死に良いものにしようと動いてるんです…!!」
感情が、かきみだされて。
真白「風見くん達が、今の親衛隊を終わらせるために動いているのに…どうしてそれを良しとしないのですか。」
懇願するように話す真白に、そこにいる全ての者が魅了された。
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