作戦開始!

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生徒達の中で様子を伺っていた右京は、表情を崩さないで見ていたが… 正直、真白の言葉に驚いた。 あの弱かった真白が、皆の前で自己紹介も緊張して話していたあいつが、 ……今の真白は、誰だ。 そう思わせるくらい、凛々しく、儚く、美しかった。 真白「僕からもお願いです。公式親衛隊を認めてください。」 頭を下げるその動作が、全ての者を見惚れさせる。 亜也「っっ…これで、生徒会総会を終わる。公式親衛隊希望のものは後日召集する。」 同じく呆気に取られていた六條は、ハッと気がついて総会を無理矢理終わらせた。 陽斗に手をとられ、真白もステージ裏へと去っていった。 俺も向かうか。 そう思って、右京はそのままステージへと足を向けた。 ーーーーーーーーーーー 陽斗「二人ともよく頑張ったねぇっ…!」 ステージ裏に移動して、功労者の風見と真白を椅子に座らせた陽斗は二人の頭を撫でた。 他の生徒会と、渋谷と優木も二人を囲んで立っていた。 風見「陽斗さまっ//いえ、とんでもないです…!」 頭を撫でられて、照れながらも風見は安心したように微笑んだ。 そして、それもすぐやめて眉を下げる。 風見「真白様。本当にありがとうございました。」 騒ぎになった時に、真白様がマイクをとって話して下さらなかったら… きっと、上手くいかなかった。 生徒達の最後の様子を見るかぎり…作戦第一段階は成功だ。 また僕を助けてくれた。 風見「真白様……?」 何も反応を見せない真白様が気にかかって顔を伺ってみる。 真白様は頭を下げていて、その表情は分からない。 だけど、顔をのぞきこむように見ると、 涙目で泣くのを我慢している真白様の表情が見えた。
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