作戦開始!

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風見「まっ…真白さまっ…」 明らかにいつも泣く感じとは違うのが分かって、その場の皆が狼狽える。 陽斗「泣かないでよぉ…真白くん…!」 ねっ?と笑顔を作って安心させるように真白に顔を見せる陽斗だが、 真白「……っ」 今にも溢れそうな滴を溜めて我慢するように口を閉ざす真白。 亜也「おっ…前のおかげで作戦成功だっ」 宏臣「素晴らしい演説でしたよっ…!」 凛「んっ…!よかった…!」 渋谷「流石でした。」 優木「だから、泣く必要なんてないっすよ!」 皆は口々にどうにか真白の涙を止めようと言葉をかける。 風見「真白様……」 だけど、ずっと口を閉ざしたままの真白。 どうしよう…皆がそう思ったとき、 右京「真白。」 ステージ裏の入り口から、右京が入ってきた。 少し息が荒いのは、急いできたからか。 右京「やっぱりか。」 そして右京は、そう言って軽く溜め息を吐いた後… 右京「ほら、真白。来い。」 手を広げて、優しい顔をした。 右京の登場に気がついた真白は… 真白「……っっ…!!」 そのまま勢いよく右京の腕の中に走っていく。 右京「無茶するからだアホ。」 そして、右京の優しい声が耳元で聞こえたのを合図に、 溜まっていた滴が、一気に溢れ出す。 真白「うっ…ううっ…」 静かな、真白の泣く声がその場に響き渡った。
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