作戦開始!

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右京「怖かったか?」 ぎゅっと抱き締めて、真白を見る。 問いかけには答えず、真白はただ泣くばかりだ。 右京が現れたことに安心したようにする周りの者達だったが、すぐ真白を心配の眼差しで見つめた。 右京「ほら、答えろ。」 右京はそんな真白を離し、しゃがみこむ真白と目線を合わす。 顔をあげると、綺麗な瞳と目があった。 見られたことに怯え、すぐ涙を拭おうとする。 その手を、右京は止めた。 右京「目が腫れるだろ。やめろ。…な?」 微笑んで見せると、その笑顔を見て、ようやく落ち着いたようだった。 真白「こわ…かったんじゃないんです。」 やっと溢した声は、ものすごくか弱い。 真白「慣れてなかったからでしょうか…情けないですよねっ…」 あらためて自分の行動の情けなさに、また泣きそうになった。 人前で話して、ちゃんと皆とぶつかって。 強くなりますよっ!!って思っていたのに。 それは予想以上に勇気がいって、こんなことをしていた生徒会の皆さんとか…風見くんとか、 僕を呼ぶあの人とか、 スゴいなぁ…って思って、 そして途端に不安になってしまった。 右京「…よく頑張ったな。」 やっぱり僕はダメダメですね…と思っていたとき、右京さんが頭にぽんっと手を乗っけました。 陽斗「だいじょーぶだよ?皆真白くんに感謝してる。」 そしていつの間にか周りには皆さんがいて、 そして気付きました。 今の僕には、皆がいてくれました。 泣いてたら気付いて優しくしてくれる。 優しい優しい人たちがいました。
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