作戦開始!

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真白「藤咲くん。」 高まった感情を、一端落ち着かせてから、咲真くんの名前を呼ぶ。 ん?と続きを聞こうとする藤咲くんに、 真白「大丈夫ですよ。」 そう伝えた。 真白「僕たちは、誰一人最後に泣かせることなんてしませんっ…!今はダメでも…最後には絶対…!!」 僕だけじゃダメかもですけど、 みんなもいるから。大丈夫です。 皆を信じてることが伝わったのか、 藤咲「それは、頼もしいな。」 一番の、嬉しそうな笑顔が見れました。 藤咲「ありがとう。本当に。僕も、出来るだけ手伝えるようにするよ。」 だから、頑張ってね。 そう藤咲くんに言われて、もちろん!と答える。 さよならするときの藤咲くんの顔は、とても清々しく見えた。 先に階段から去ってしまった藤咲くんを見て、 真白「ぼくも、戻ってもう一回色々確認しなければ…!」 急いで真白も部屋へと帰っていったのだった。 ーーーーーーーーーーー 部屋を出て、冷静になってからまた部屋に戻ろうとしていた時、 階段から嬉しそうに出てくる藤咲を、咲真は見た。 彼がやってしまった事を、自分が許してやろうと思っていたのに。 あいつは俺にあんな事言われて傷ついているだろうと思っていたのに。 なんで…? そう思って追いかけようとしたが、 パタリと駆けようとした足が止まる。 階段から、また誰かが出てきた。 咲真「………!!」 そして、言葉を失う。 共に、やりきれないほどの怒りと憎しみが自分を支配した。 きつく握った拳が、ギリギリと傷ついて赤く染まっていく。 なんで、 なんであいつが、 なんで真白がいるんだよ…!!!!
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