作戦開始!

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認めてしまえば、強く心が願ってしまう。 ……失いたくない。 失いたくない感情が、沸々と沸き上がる。 右京「はぁ…バカだな。」 つい溢す言葉は、自分に向けられているもの。 真白が遠くに離れた途端に気がつくなんて。 とことんタイミングが悪いな。 そう自分に呆れ、そして… 今は、これでも構わない。 そう自分の気持ちを確かめる。 ピンチな状況の中… 真白は今、前に進もうとしている。 着けていなかったネクタイを手に取り、自分の首に巻く。 ゆっくり自分の部屋から出て、そして目の前の真白の部屋のドアを見つめる。 今は自分の気持ちなんてどうでも良い。 とにかく、今は自分の出来ることをするまでだ。 そう意志を固く持ち、右京はそのまま寮の部屋を出たのだった。 ーーーーーー 一方、学校では… 紙は朝に優木と風見によって回収されたが、噂が次々と広まっていた。 その噂を聞き、藤咲は真っ先に咲真の元へ向かった。 そして、今に至る。 藤咲「咲真、なんでこんなこと…」 目の前の咲真を見るが、目が合う事はない。 咲真を好きになった、中庭で… 僕は何をしているのだろう。 じっと見詰めながら、どうしようもない空しさに顔をしかめた。 真白くんの噂を聞いて、すぐ犯人が咲真だと感じた。 あれ以来、全く顔を合わせなかった咲真は、 少し雰囲気が変わっていた。 まるで、今にも壊れてしまいそうに… 儚く、脆いように見えた。 藤咲「咲真なんだよね、真白くんの…」 そして、真白くんの名前を口にした途端… 咲真「アイツの名前を言うなっ…!!!!!!!!」 やっと顔を合わせてくれて… 僕はそんな咲真の表情に、………ゾッとした。
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