新しい一歩

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跡継ぎである長男と、血の繋がった真白が恋人の関係にある。 それが、もう1つの噂だった。 その事が本当なら、大ニュースになってたかも知れません。 楓さんは…テレビとかもいっぱい出てる有名人ですから。 ふっとあの人の姿を思い出して、眉を寄せた。 僕が、否定しなければいけない。 だから、 真白「兄は、僕の大事な兄弟です。」 そう、皆にそう言うしかない。 生徒の皆さんは、やっぱりか… そう安堵したように空気が緩みます。 僕のその言葉を、待っていてくれたかのように。 ただ、一人を除いて… 咲真「嘘を言うな!!!!お前とお前の兄は恋人なんだろ!!!!」 大声で、体育館に響かせる。 やっと、咲真くんが反応してくれました。 ただ、やっぱり今までと…形相、声、全てが違いました。 声のした方へ目を向ける。 ………もう、目をそらさない。 そう決めたから、しっかりと咲真くんを見詰めた。 真白「僕、柴田真白と…兄は恋人じゃないですよ。」 そして言葉を続け、 咲真くんに伝える。 ……少しだけ、罪悪感を持ちながら。 ごめんなさい。 いつか、本当の事を咲真くんにも話すから。 そう心の中で謝った。 僕、と…兄は恋人じゃない。 それは本当。 ただ、もう1つだけ… 僕には隠し事がありました。
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