新しい一歩

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だけど、 咲真「おっ…おい!何してんだ!早く出てこいっ…!」 開いた扉からは、誰も出てこない。 僕も、咲真くんの慌てる声に気がついて顔を上げた。 そして、その扉からやっと出てきたのは… 真白「うきょ…さん」 朝以来会ってなかった右京さんの姿だった。 一方、咲真も… 咲真「なんでっ…」 突然の右京の登場に、混乱に陥った。 右京の後から入ってきたのは紫桃だった。 紫桃の足元には、数人の私服の男達。 咲真「おっおいっ…なんでこんなこと…!!」 その男達は、どうやら証拠を持っていた男達だったみたいで… 問い詰めるような咲真の言葉に、右京と紫桃は一切表情を動かさない。 紫桃「怪しげな者を捕らえるのも、風紀としての役目だからな。」 そして、淡々という言葉に、 その場にいた全生徒が疑問に思った。 咲真「でも、なんで右京が…、」 そしてその疑問を、咲真が口にする。 すると、右京はゆっくりと咲真に近付く。 対面した右京。 咲真は、初めて右京から寄ってきたことに内心期待したが… それは一瞬で打ち砕かれた。 右京「この度、風紀委員会に所属となった。」 ずっと、風紀からの誘いを断っていた右京。 その右京の姿は、嘘のように… 紫桃のように、強い瞳で… 咲真を見つめる。 右京「今日の朝の張り紙はお前だな。」 そして、冷酷に… 言葉を続けた。
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