新しい一歩

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咲真「なんの証拠が…」 動揺している咲真は、右京達が男たちを捕まえた事を忘れていた。 そして、ハッと気が付いて… 反らした目を右京に向けると、 右京「全部、コイツらが話した。」 ニヤっと、挑発的に笑みを向けられた。 なんだよ… なんだよ… 咲真「なんで、俺ばっかり…」 右京が俺に見せる瞳は、いつも優しいものじゃなくて… だから、だからっ… 真白が、ものすごくうらやましくて。 咲真「お前のせいだっ…!!」 再び、真白の胸ぐらを掴む。 床に座り込んでる真白に合わせてしゃがんだから、力が抜けてしまいそうになったけど、 必死に殴る力を、振り絞る。 咲真「俺は、皆から愛せる存在だって言ってたんだ…!!!!皆そう言うんだから、そうなんだろ!!???」 拳を必死に真白の肩に当てるが、上手く力が入らない。 自分の中の何かが、壊れていく感覚がして… 怖くて、怖くて、 咲真「お前のせいだっ…俺が愛されないのは…お前のせいだっ…」 全て真白のせいだ。 そうしないと、自分がバラバラになってしまう気がして。 咲真「皆皆、おかしいっっ!!!!」 自分でも何を言っているか分からなくなって、今度こそ真白を殴ろうとしたとき、 パシンッ…と、乾いた音がして、 真白「いい加減、目を覚ましてください。」 真白の言葉と共に、 自分の頬が叩かれた事を知った。
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