新しい一歩

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叩かれた頬が、ヒリヒリして… でも、それ以上に 真白の言葉が耳に入って。 目を覚ますって、どういうことなんだよ… なんで、俺にそんなこと言うんだよ… そう言おうとしたのに、 咲真「目を覚ませば…俺は、一人にならないのか?」 口では、違う言葉が自然とこぼれる。 咲真「もう、こんな気持ちは…嫌だっ…!!」 そして、共に…頬をすべる涙。 今までに流した涙とかと同じなんかじゃなくて… 止まりたくても、止まれない。 みっともない姿なんて見せたら、また人が俺の前から去ってしまう… そう思って、必死に拭う。 真白「大丈夫ですよ。」 涙をふいてたら、真白が優しい声でそう言って… そして、包み込むように、抱き締めてくれた。 なんで真白がこんなこと…って思ったけど、 温かくて、優しくて… 咲真「うっ…教えてっ…くれよ…!!!」 ついつい、そう聞いていた。 咲真「俺は、間違ってるのか…??」 真白なら教えてくれるって思った。 ずっと、ずっと羨ましくて妬ましくて… 嫌いだったはずなのに、真白の温もりに触れて… 真白なら…って思ってしまう。 咲真「ましろっ…」 一人ぼっちになりたくない。 こんな悲しい気持ちは…いやだ。 必死に懇願して、 優しく頭を撫でてくれて… 続きの真白の言葉を、必死に待った。
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