新しい一歩

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大声で謝り、そして勢いよく頭を下げた咲真。 許してくれない人がいたら、認めてくれるまで頑張ろう。 そう覚悟をしていた。 しかし… パラパラ…っと少数の拍手が聞こえてから、 その拍手は、大きなものへと変わっていく。 最初に拍手をしたのは、 俺が殴りかかった、右京の親衛隊隊長。 確か、名前は…風見…だったっけ…? 隣にいる奴も、確か生徒会親衛隊の… 大きく拍手してくれる二人。 それが、余計に自分の愚かさを思い知らせる。 真白「良かったですね。咲真くん。」 ニコっと笑う真白に、俺もついつい笑顔になった。 亜也「お前ら、そろそろ総会始めてもいいか?」 真白と咲真で笑いあっていたとき、マイクを通して亜也がそう尋ねた。 真白は咲真を見て、もう安心だと頷く。 そして、 真白「じゃあ、後でお会いしましょうっ!」 真白が去ろうとしたのだが… 咲真「あっ…」 咲真が無意識にそれを止めようと、真白の腕を掴んだ。 真白「咲真くん…?」 どうしましょう、ステージ裏に戻らなければいけないのに… でも、咲真くんを置いていく訳には… そう思っていると、 僕の腕と、咲真くんの手に…またもや誰かの手が重なった。 そちらを見ると、 真白「右京さん…」 右京さんが、咲真くんをじっと見つめていました。 何故か、ちょっと怒ってるような…? そう思ったのですが、それはどうやら気のせいで、 右京「お前ら二人はそのまま風紀室だ。」 右京さんはいつもの声で、僕たちにそう言いました。
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