新しい一歩

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それから、僕は事の流れを説明するために咲真くんに先に行ってもらって… そして説明が済んだ後、風紀室へと足を運びました。 コンコンッとドアをノックしてみると、 ガチャっと開かれて、珠稀さんが顔を出しました。 珠稀「真白クンか。入り、入り。」 珠稀さんに促されるまま中に入ってみると、 そこに右京さん達の姿は無くて… 真白「あの、咲真くんたちは…?」 気になって、尋ねると、 珠稀「あいつらは別室」 そう答えてくれました。 珠稀さんの目線の先を追ってみると、風紀室も生徒会室みたいに中に小さな部屋があるみたいだった。 微かに、話している音も聞こえてくる。 朝のことについての、お話し合いなのでしょうか…? 珠稀「右京と朱里は茅野の話を聞いとる。俺は真白クンに話を聞きたいんやけど…いけるか?」 右京さんたちがいる部屋に気をとられていると、珠稀さんにそう顔を窺うように聞かれます。 真白「大丈夫ですよっ!」 そう答えると、珠稀さんは優しい笑みを向けてくれました。 珠稀「それじゃあ、話を始めよか」 優しい瞳、優しい声。 でも、珠稀さんの表情は柔らかいようで… やはりどこか、不安げなようにも見えました。 ーーーーーー そして、二人でソファに向き合うように座って… 珠稀さんに紅茶を入れてもらって、ふーふーしながら飲んでいました。 口を開こうとしない珠稀さん。 なぜ、座ったとたん…話さなくなってしまうのでしょうか…? そう不思議に思うが、じっと珠稀さんの言葉を待つ。 そしたら、 やっと口を開いた珠稀さんが発す、予想してなかった言葉。 珠稀「なぁ、真白クン」 それは誰もが気になり、 そして聞いてこなかったこと。 珠稀「右京のこと、どうおもってるん?」
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