新しい一歩

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真白「へ……?」 予想外の問いに、ビックリして… 間抜けな声が出てしまって、 真白「どうって…」 そして、困ってしまいます。 珠稀「真白クン、右京の事好きなんちゃうかな…?っ思ってん。…で、どうなん?」 詰めるように話す珠稀さん。 右京さんの事を好きって… その好きな意味は、さすがに僕でも分かって… そして、それと共に 珠稀「…………!」 涙が、ボロボロと溢れてしまいます。 珠稀「え…!?ちょっ…真白クン?」 泣くなんて、思ってなくて。 今日は涙は流さないって思ってたのに、 顔を、見たくないって言ってしまった事を思い出して。 それなのに、 助けてくれた右京さん。 珠稀「真白クン…!問い詰めたかったわけじゃないねんっ!!えと、…だから、泣かんでもええやん…」 はああっと自己嫌悪に陥るように、頭を抱えて机に伏せてしまった珠稀さん。 そうじゃないんです。 そうじゃない。 ただ、分かってしまっただけなんです。 あの時言ってしまった言葉。 それは、ただただ右京さんに失望されたくなくて、 右京さんの僕を呼ぶ優しい声も、 優しく見てくれるあの瞳も、 えらいって、誉めてくれるあの手も、 全部全部、失いたくなくて。 それを恐れるあまり、反対に右京さんを傷付けてしまった。 珠稀「真白クン…?」 真白の様子に違和感を覚え、珠稀は顔をあげる。 ボロボロと溢れる涙は、思いが溢れたように見えた。 そして、そんなとき… 隣の部屋のドアが、ガチャっと開き、 右京「おい、何してるんだ…?」 中で事情を聞いていた右京、咲真、紫桃が現れた。
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