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なんで、そう思ったのかなんて…分かりません。
ただ、白の優しい手が、
まだ、温かいように思ったから。
何を伝えようとしてるの?白。
白の前でしゃがみこんで、必死に教えてと願いました。
他の人達に何を言われても、退く気はありませんでした。
この場を離れてしまったら、白の気持ちが離れてしまうと思いました。
真白「しろ…なにを、伝えたいの…?」
じっと手を見つめていました。
僕よりちょーっとだけ大きな手。
その手から、小さな小さな桜の花びらが出てきました。
それが、先ほどまでの…幸せな時間を思い出させました。
本当に、大切な…
今ではもう手に入れることが出来ない、宝物。
真白「わかったよ…しろ。」
白が伝えたかったこと、わかったよ。
僕が二人を思ってたくらい、白も思ってくれていたんだね。
白は、僕を助けてくれた。
なんで、僕なんて助けたの。
そう、正直思っているよ。白。
白と楓にぃが幸せに生きてくれてたら、僕は死んじゃっても悔いなんて何もなかったのに。
……でも、それは白も、一緒だったんだね。
白は、楓にぃを僕のために残してくれたんだね。
そう心の中で呟けば、
やっと、白が笑顔になった気がしました。
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