新しい一歩

26/30
前へ
/300ページ
次へ
そして、皆さんが帰ってしまって… 一気に部屋に二人っきりになってしまいました。 右京さんと、朝以来の二人っきり。 まだ一日も経ってないのに、どうすればいいか分からない。 どんな顔で、右京さんと向き合えばいいんだろう。 どんな声で、右京さんと話せばいいんだろう。 普通にしていた事が、一気に出来なくなってしまう。 あれれ…?僕、なんでこんなに…テンパっているのでしょうか… とにかく、残りの仕事を終わらせてしまわなきゃ… 緊張を誤魔化すように、パソコンを打つ手を早める。 今の静寂のせいで、どうしようもなく鼓動も早まる。 終わって、しまった。 いつもより、早く終わらせてしまって、 ちらっと右京さんを見ると、 右京さんも、どうやら終わったみたいだった。 真白「あ……」 無意味に吐いてしまった声が、どうしても空気を気まずくさせる。 バカバカっと、自分を責めながらも… 合ってしまった瞳は、何故か反らす事は出来なかった。 ゆっくり、近付かれる。 そして、 真白「……っ」 頬をつねられてしまった。 右京「目、パンパンに腫れてるぞ。」 そう指摘されて、一気に恥ずかしくなってしまう。 僕、今どんな顔なんでしょう… 俯きたくても、頬の手が邪魔をさせる。 真白「う…仕方ないです…!」 強がるみたいに、そう言って、 真白「右京さんが…」 僕の本心を、さらっと言ってしまったから…そう言おうとしました。 真白「ーーーーん…!」 だけど、それはゆるされませんでした。 右京さんが、 優しく僕に、唇を合わせてきたから。
/300ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1422人が本棚に入れています
本棚に追加