新しい一歩

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え…! 内心ビックリして、 でも、その唇が離れるまで… 動くことなんて、出来なくて、 唇が離れたかと思うと、次は僕の腫れている瞼に優しく口づけました。 真白「うきょ…さん…?」 ちゅっ…と鳴る、リップ音がどうしても恥ずかしくて、 優しく、優しく触れるのが、くすぐったくなって、 名前を呼ぶと、 また、絡み合う瞳。 右京さんは、表情を崩さないまま… そのまま僕の耳元で、 右京「ごめんな。」 そう言って、耳たぶにまたキスを落とします。 右京さんは普通の表情なのに、僕ばっかりが顔を赤くして、 それに、先に謝られてしまうなんて… 僕が悪いのに、右京さんは何も悪くないのに… あ、また…… 瞳から、ポロポロと涙を落としてしまう。 その事に、少し目を見開いた右京さんは… そのまま、自己嫌悪に陥るみたいに…ため息をはいた。 右京「嫌だったか…?俺は、お前に嫌なことしてばっかだな。」 ごめん。またそう謝って、右京さんは僕の頭を撫でようとして… そして、もうすぐ触れるって所で…止めてしまいました。 なんで、なんで… 真白「………で…」 ポロっと溢した言葉が、右京さんに少しだけ聞こえて、 右京「ん…?」 反応を示してくれた右京さんに、 真白「なんで、右京さんばっか謝っちゃうんですか…!僕が悪いのに…!」 そう、大きな声で言っちゃって… それがまた、自分なにしてんだろって思って、 でも、ストッパーはどこかに無くしちゃって… 真白「撫でるのだって、大好きなのにっ…なんでやめちゃうんですか…!!」 心の声が、溢れて止まらない。 真白「キスだって…恥ずかしくても…嬉しかったのに……右京さーーーーーー」 それを止めてくれたのは、また右京さんの唇で、 触れるだけじゃないそのキスで、 暖かくて、大好きって…思って、 僕は嬉しくて… またポロっと泣いてしまった。
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