新しい一歩

28/30
前へ
/300ページ
次へ
真白「ん…」 少し苦しくなって、声をもらしてしまうと… ゆっくりと右京さんは唇を離しました。 ぼーっと、熱をもってしまって、 右京さんが頬を撫でてくれる手が、冷たくて気持ちよくて、無意識に擦り寄ってしまいます。 右京「……真白。さっきの言葉、本当か?」 僕の姿に、クスッと笑って… 右京さんは優しい瞳でそう尋ねてきました。 頭を撫でられるのが好きだってこと、 キスが嬉しいこと。 一時の感情じゃない、今でもずっと感じてる。 黙って頷くと、すごく嬉しそうに微笑んでくれた。 滅多に笑わない、右京さんの笑顔。 ……もう…!!ずるいです… 眩しくて、そりゃもうキラッキラで。 また、赤くなってしまうのを、必死に気を紛らわす。 関係ないこともいっぱい考えて、 そして、ハッとした。 まだ、僕…ちゃんと謝ってません。 真白「あの、右京さん。」 声をかけると、 右京「ん?」 そう、僕が話すのを待ってくれる。 いつも、右京さんはそうだなぁ…と思いながら、 真白「今日は、ほんとにごめんなさい。」 真っ直ぐ右京さんを見て、それから謝った。 真白「右京さんに、知られてしまって…怖くて。」 恋人じゃなくても、恋人のふりをしている僕。 真実を知ったら、右京さんはどう思うんだろ…って怖くなった。 優しくて、何も変わらない可能性が高いのも知ってました。 だけど、何故か…右京さんが怖くて。 あんなことを、言ってしまった。
/300ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1422人が本棚に入れています
本棚に追加