新しい一歩

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真白「でも、分かったんです。右京さんが怖い理由。」 顔を見たくないって、言ってしまった理由。 不思議そうな顔をしてる右京さんに、にこっと笑顔を見せる。 真白「右京さんは、僕の秘密を知っても…僕の近くに居てくれますか…?」 そして、一番気になることを聞いた。 これから、いつかはまた離ればなれになるかも知れない。 それを、今日改めて感じた。 僕は、右京さんが離れていってしまうのが怖くて、 楓にぃと一緒で、どうしても右京さんは失いたくなくて、 それだけ、僕の中で右京さんは大きな存在になっていました。 でも、 それを言うことなんて…今の僕には出来ません。 それでも近くに居てほしくて。 つくづく我が儘で、最低で、滑稽な願い。 でも、そんな僕の願いを… 右京「ああ。そうだな。」 ーーーこの人は、あっさりと叶えてしまう。 その一言だけで、僕はぎゅーっと胸が締め付けられます。 大好きが、溢れて… 今にも口から言葉として出そうになります。 これは…毎日が大変になりそうです。 先が思いやられながら、 真白「嬉しい…です」 嬉しいって思いだけ、届けばいいなと思いました。 右京さんの裾をちょいっと摘まむと、頭に手を置かれます。 幸せで、満たされる瞬間。 お互い笑いあうと、また頭にキスが降ってきて、 右京「じゃあ、そろそろ帰るか」 そう、言われて頷きました。
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