新しい一歩

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ーーーー帰り道。 裾を持ったまま、右京さんの隣を歩く。 そして、今日の事を思い出した。 咲真くんの事に、自分のこと、そして右京さんとのこと。 いっぱい、いっぱい変わったこの日。 辛くて、怖くて、そして嬉しくて、大好きな気持ちが溢れた日。 ふかちゃんにまた報告しなきゃなー…って思ってたら、 じっと、右京さんがこっちを見ているのに気が付きました。 真白「…?」 首をかしげて、右京さんを見つめ返す。 そしたら、 右京「頑張ったな。」 そう言われて、柔らかな笑みを見せてきました。 どうやら、右京さんも今日の事を思い出していたみたいです。 でも、それにしても… 右京さんは、さっきからズルいです。 真白「むー…」 なんか悔しくて、裾を握る手を強める。 右京さんの裾なんて、くしゃくしゃになっちゃえば良いんですよ…!! くしゃくしゃに握って、そしてブンブンと振り回す。 そしたら、 右京「ばーか」 楽しそうに、右京さんが声に出して笑って、 また、負けた気分です…!! 僕は、さっきより余計にふくれますからね…! ………でも、 右京さんの笑顔を見ちゃえば、やっぱり怒ることなんて出来るわけなくて、 ………やっぱり、今日は良い日です。 そう、僕も内心嬉しくて笑ってしまいました。
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