新 親衛隊。

4/8
前へ
/300ページ
次へ
高1の時に優木が転校してきて、そして高1高2とクラスが一緒だった。 違う隊だが、親衛隊ということでわりと言葉は返すほうだった。(といっても、他の者からすると一言二言くらいの会話なのだが。) 適度な関係。 適度な距離感。 それで、俺は良かったのだが… 渋谷「………どけ。」 目の前の、俺の机に堂々と座ってきた奴を睨む。 現れた優木は、そろそろ授業が始まると言うのに…そこから退こうとはしなかった。 それだけでも、イライラすると言うのに… こいつの席は、俺の前なのだ。 …つまり、己の椅子に座れば普通に話は出来る。 はぁ…とため息をはいて、優木の様子をとにかく伺った。 どけ。そう言ったハズだったのだが… 優木「やっぱり、風見くんのとこ…大変なのかなぁ…」 それは、どうやら聞き入れて貰えなかったようだ。 毎度、毎度、 風見が去ったあとは…だいたいこんな感じだ。 優木「俺の隊でも、助けてあげられると良いんだけど…」 どうやら、今回の事で一気に風見と距離が近づいた優木。 風見が困っている様子を気にかけ、毎度俺に様子を尋ねてくる。 その様子は本当に気にかけている事が分かり、俺も最初はちゃんと答えなければと思っていた。 しかし、その頻度が問題なのだ。 風見も、優木も… 何故、ここまで俺の所に来るのか。 渋谷「優木。今週…俺のところに何度その話をしに来た?」 呆れるようにそう尋ねれば、 優木「え、来すぎて分かんないよそんなの」 けろっとした顔でそう言われる。 こいつらは…本当になにがしたいのか。 風見と優木のせいで、俺は平和になったこの学校で、未だに平穏な生活を出来ずにいた。
/300ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1422人が本棚に入れています
本棚に追加