二章 チャイルドロック

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檻の横で座る宝城、その横にはなんとか入れられた小さなパンがあった。 獣人も諦めたのか檻の奥真ん中に身をそめる、が 小さなうめき声をあげているそれもまた幼い声で一生懸命と 諦めてはいないようだ 宝城「・・・・。」 「ぅぅぅぅぅ・・・・」 宝城「分かるよ、一人って怖いよね、私もだったから」 といって獣人を見ると獣人の声はすこし強くなり、向きをそらすとまた平常のうめき声に戻った。 宝城「見るなって言いたいのね、わかった」 といって微笑んだ。 そういうと、懐からノートを取り出し呟いた。 宝城「ずっとあなたを見ていたの、ここに運ばれて二日目からねあなたの変化を」 ノートを開きページをめくった。 宝城「とっても可愛かったなぁ、ねぇ私が名前つけても・・・いい・・・かな?」 ノートを閉じた。 宝城「あなたの元の本名って知ってる?名前の頭のイニシャルはRなんだ、それとあなたの性格、小さいのに『俺は強い』『怖いんだぞ』って思いが伝わってくるの、まるでおとぎ話にでも出るライオンね、本当は雄のライオンはぐうたらなんだけど・・・・」 それを聞いているのか聞いてないのか、良くわかっていないようだが、言葉を聞いている様子で見つめる獣人 宝城「だから・・・・あなたの名前はリオン、Rとライオンのイニシャルから取ってリオン・・・どう・・・かな?」 微笑み振り返る、今度はうめき声はなかった 宝城「気に入った?んじゃ、よろしくねリオン」 笑顔で言うといつの間にかうめき声は消えていた よく見ると、鼻から息をだす音だけ 宝城「寝ちゃったんだ」 彼女もそのまま眠りについた
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