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乱れた髪を
手櫛で整えて立った、
温人さんの部屋の玄関。
いつもと同じように
白い封筒を渡された。
「いつもより多めに入れておいた。
下にタクシーを呼んだから
それに乗って帰りなさい」
いつの間に……。
本当に
どこまで私を大切にするつもりか。
温人さんの恋人は
きっと幸せだろうと思った。
彼の左手に指輪はないけれど
恋人くらいいるだろう。
多い時で週に5日
私と夜を共にしているけれど。
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