第1話

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「うん。 やっぱ美紅の作るご飯は最高だな。 外食よりうまい」 「えっ……それはさすがに」 「本当だって。 いくらでも食べれる。 美紅お前、俺のこと太らせようとしてるだろ?」 「あれっ、バレた?」 ぺろっと舌を出すと、「こらっ」とお兄ちゃんに優しくデコピンされた。 ……美味しさのスパイスは愛情だよ。 普段表現できないから。 こっそり気持ちを込めて作ってる。 「ふぅ、食った食った」 食べ終わると、お兄ちゃんはお皿をシンクへ運んでくれた。 「洗おっか?」 「いいよ、いいよ。 お兄ちゃんは具合悪いんだから、部屋でも戻って寝てたら?」 「んー、もう少しここにいる」 そう言ってまた椅子に座った。
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