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なんか……
「後ろから見られてると嫌なんだけど……」
洗い物をしながら、お兄ちゃんの視線がやたら気になる。
普段は夕食後はお母さんがキッチンに立っていて、私はリビングでテレビ。
お兄ちゃんは帰りが遅いから、私が寝る頃に玄関のドアが開く音が聞こえてくる。
だから、こんな風に二人きりでキッチンにいることなんて、めったに……ううん、最近は全然なかった。
「あはは、美紅の後ろ姿可愛いなって思って」
「え!?」
思わず振り返る。
冗談にしても、私はドキドキしちゃうんだから、やめてよ。
「ちょ、美紅! 泡が舞ってるよ」
「わわっ、しまったっっ」
またシンクに顔を戻して洗い物再開。
もう、お兄ちゃんのバカ。
「い、妹に可愛いなんて言っても何も得しないよ」
「そぉ?」
「そうだよ!」
意味わかんない。
急にどうしたんだろ……。
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