第1話

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私の素肌に触れたお兄ちゃんの手のひらが、ヒヤリと冷たくて。 ピクリと反応した私の身体に、優しくクリームを塗っていく。 くまなく、全身に…… 丁寧に、ゆっくりと。 その動きが、なぜか凄く、艶かしく感じてしまって。 「お兄ちゃん、もういいよ。 お母さんたち戻ってくるし……」 なんでだろう。 この光景を、両親には見せてはいけないと本能が言っていた。 「なんで? お前の肌白くて綺麗なんだから、ちゃんと塗んないと」 お兄ちゃんは私を放してくれない。 「だ、ダメだよ……」 なんでダメなの? 頭の中で自問自答する。 だって、私は女の子で。 お兄ちゃんは、男の子だから。 こんな風に身体を触らせたら、イケないんだよ……。
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