第1話

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旅行から帰っても、私のおかしな感情は変わらなかった。 靴を脱いで、玄関を上がって。 みんなで夕飯を食べて。 一番風呂したお兄ちゃんの、上気した顔と水の滴る髪の毛を見て、ドキッとした……。 「なにお前、熱でもあんの?」 ぼぅっとしていた私のおでこにお兄ちゃんが手を当てた。 「な、なんでもないよっ……!」 おかしい。 おかしい。 私、絶対おかしい……! お兄ちゃんはお兄ちゃんなのに。 ずっと前から私のお兄ちゃんなのに……!!
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