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「美紅(みく)、今日はお母さん帰りが遅いから、夕飯の支度よろしくね」
その日は、お父さんはいつも通りの残業。
お母さんは町内会の集まりとかで、珍しく家を空けることになっていた。
私は部活の練習のない日だったので、学校が終わってすぐ帰途についた。
まだ初夏だというのに外は日照りでむんむんとしている。
半袖から覗く白い肌も、このままじゃあっという間に日焼けしてしまいそう。
玄関のドアを開けようとしたら、携帯が鳴った。
「ーーもしもし? お兄ちゃん、どうしたの?」
今日はバイトで帰りが遅くなると言っていたお兄ちゃんからだった。
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