プロローグ

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「良い子のみんな、こんにちは!ヒーローセンターにようこそ!!」  案内役の女性を、子供達が見つめている。広いフロアに、数々の英雄のレリーフ、彫像が。きらびやかに展示されていた。 「それじゃあ、今からお姉さんと一緒にヒーローの歴史を勉強しましょうね!」 「ハ~イ!」  子供達が、可愛らしく。彼女の後について行く。 「最初にヒーローが登場したのは、みんなが生まれる、ズ~~~ッと前!」    進んだ先のフロアの照明が消え、広い部屋いっぱいに、映像が映し出される。  「2360年、宇宙に飛び出した人類は、惑星間戦争に巻き込まれました。」   人々が、平和に暮らしていた場面が変わり。異星人との戦いが展開される。   「豊かな資源を持つ地球は、他の惑星により、狙われてしまいます。科学技術や体格、その他あらゆる点で劣っていた人類は、追い詰められていったのです。」    危機を向かえる人類の映像を尻目に、退屈そうな子供が、生あくびをかみ殺している。 「未だかつてない人類の危機!これからいったい、どうなってしまうの!!」    段々と白熱していくお姉さんの語り口に、聞き入る子供達。 「みんなやられちゃう?」  一人の少女が不安げに質問する。案内役の女性は、ニコッと笑って。 「大丈夫!そうはならなかったの。何故なら、そこでヒーローが登場したからです。」  広いスペースにデカデカと、ヒーロー達が立ち並ぶ。歓喜の声があがった。  「突如として変身能力を身に付けた、わずかな人々は。難局を乗り越え、見事、愛する星を守ったのです!ヒーローの活躍により、宇宙はバランスを取り戻し、もう争いが起きないようにと宇宙銀河連盟が設立されました。このヒーローセンターも、その下部組織になるんですよ。」   「どうやってヒーローは変身するの?」 「いい質問をありがとう!当初のヒーローはね、グレートスピリッツ・・・みんなには、神様って言ったほうが分かりやすいかな?と、直接接触して。神託を得て、選ばれてヒーローになりました。そのため、ごく少数の人達に限られた能力だったのです。でも今は、オラクルリーダーの媒介により、多くの人が変身できるようになりましたね。」
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