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「・・・また囲碁でも打ちに来て下さいよ。じいちゃんも、退屈そうなんで!」
暗い雰囲気を察してか、志音が明るく微笑んだ。
「そうだね。じゃあ、そのうちにまた伺うよ。」
「お待ちしてます。」
その時、コンコンコンと、誰かがドアをノックする音が響いた。
「所長、宜しいでしょうか?」
「それじゃあ、僕はこの辺で失礼します。」
「あぁ、そうかね。また宜しく頼むよ・・・入りたまえ。」
「失礼します。」
青年と入れ替わりに、秘書が入ってきた。
「お食事中、すみません。早急にお知らせすべき案件だと思いましたので。」
報告書を渡す秘書。眉をしかめ、それを見る。
「チャンキー・G・ボーンズ。星間指名手配犯罪者、殺人、強奪、脅迫・・・罪状を挙げれば、きりがないなぁ。で、この男がどうしたのかな?」
「えぇ・・・実は極秘裏に、この地球にやって来るそうです。」
「オラクルの方々がそう予知したのか。確率は?」
「90%です。すでに軍が動いていますが、この確率では・・・」
「侵入を許さざるをえん・・か。」
「はい。」
「しかし、何故こんな辺境の惑星に・・目的は何だ?」
「そこまでは、読みきれないようです。」
「ふむ、ここから先は、我々の出番と言う事か・・・・」
「所長、この件に関して先程、防衛庁長官との会談要請が来ました。」
「すぐに伺うと返事をしてくれたまえ。今準備をする。」
「了承いたしました。」
秘書が退室するのを見届けて、深いため息を吐いた。
「やれやれ、シャドウ対策に気を取られてたら、次は指名手配犯か。やっかいなことにならなきゃいいが・・・」
そうつぶやいた後、所長は急いで食事をかきこんだ。
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