0人が本棚に入れています
本棚に追加
雷鬼は風蝶の言葉に耳を貸さない。雷鬼は化学が得意で様々な分野を飲み込んでしまうとんでもない奴。
化学もとい、科学技術を利用し、常人では思い付かない事を平然と思い付くのであった。しかし、それを表に出さないため、風蝶はそれに対して怒っていたのだ。
「あんた、飲み込み早いでしょ?」
「遅いよ?」
「反応も速いだろ!!」
赤髪の少年、紅月炎龍が雷鬼に向かって竹刀を振るったが雷鬼は普通に避けていた。
「あぶないねぇ。炎龍君?」
雷鬼は飄々と避けていた。
「避けてんじゃねーか」
炎龍は雷鬼に竹刀を向けながらすごい顔をした。
「にゅー」
雷鬼はどうでも良さそうな顔をした。
「雷鬼は陰陽師の家系じゃないのかよ?」
「え、現代っ子って、陰陽師とか信じないだろ?炎龍くん?」
「あたしはどうなる?あ・た・し・は?」
風蝶は雷鬼に鬼の形相で睨んだ。風蝶は風神の巫女。はたから見れば、ちょっと痛い子。
「えー、風蝶の家は神社だから良いじゃん。俺の家ははただの家だぞ?」
「お前の実家はどうなんだよ!?雷鬼!」
風蝶と炎龍が同時に怒鳴った。
「しかし、急にどうした?風蝶も炎龍も特異能力の話してさ」
「…………」
雷鬼の問いに少しの間が開いた。風蝶は少しため息をし、雷鬼を睨んだ。
「雷鬼。今日こそ、特異能力者の申請して貰うよ?」
風蝶の真剣な眼差し。
「えー、やだ。めんどい」
雷鬼は即答した。
「っざけんな!ごらぁ!!」
青髪の少女、青月冷華が雷鬼に残像拳を放った。
「あべし!!」
雷鬼の悲鳴を無視しながら冷華は風蝶と炎龍にあいさつを交わした。
「冷華さん…これ…普通は死にますよ…」
雷鬼はよろよろと立ちあがった。
「雷鬼、お前の肉体構造は異常じゃ」
「冷華ちゃん。やっぱ違うんだ?コイツ」
風蝶は冷華の言葉に納得していた。冷華の能力は『無接触診察者(ノンタッチ・イグザミナー)』。
見ただけで、他者の体の構造や、持病、どこが悪いかがわかるらしい、亡き父が医者だったのもその力のおかげだったらしい。
「炎龍は刀の申し子だけど、雷鬼はあれだ、なんでもできちゃう、オールラウンダーだ」
「えーなにそれ怖い」
雷鬼は怖がりながらも顔は真顔だった。
「雷鬼、お前だ。お前」
「そういえば、炎龍はこの前なんか切ったらしいな?素手で」
「いや、竹刀で。コンクリな」
炎龍は、訂正はした。
「はぁ?」
最初のコメントを投稿しよう!