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竜斗は呆れながら、刀を見ていた。能力名は『刀鍛冶』。竜斗の家は刀を作る仕事らしい。
そのせいもあってか、特異能力としても出始めている。ちなみに、刀と言っても刃物全般を作れるらしい。
「中学上がったら、来るかと思ってたのにさ、雷鬼?」
正兎も呆れながらノートに書き物していた。能力名は『脚力特化』。身体系能力で、その名のとおりキック力やジャンプ力が強化される力である。
「すみませんねー、意地っ張りな奴なので」
雷鬼は笑いながらノートを出した。
「でも雷鬼君。なんで今年から来るようにしたんだ?」
優利が話しかけた。優利の特異能力は『完全運搬』。運ぶ事に長けていて、あらかたの物なら運べるらしい。物理的なものでも、エネルギーでも。
「親がいい加減行けってね……」
雷鬼は優利の問いに、呆れた口調で言ったが。
「嘘だろ?」「理由は?」
竜斗と正兎が即答した。
「ったく……二人に、おかん、会わせんじゃ無かった」
竜斗と正兎に親の性格がばれている以上、否定するわけにいかなかった。
「簡単だよ、俺が黙ってたのがばれたのよ」
雷鬼は肩をくすめながら答えた。
「まさか、雷鬼。親にも内緒にしてたのか?」
竜斗が少し驚いた様子で聞いた。
「そうだよ。竜斗君。」
雷鬼は飄々と答えた。竜斗は呆れてものも言えなかった。
「あほ」
「てへっ」
どっかで見たことある顔をしながら照れる雷鬼。
「あ、雷鬼君、能力は『二装式(ダブル・アクション)』だっけ?どんな能力?」
弥生が話しかけてきた。雷鬼はおもむろに立ち上がった。
「『紫電一閃(エレクトリック・ムーブ)』・『「狂える力(バンプアップ)』ですよ」
雷鬼は嫌そうに話した。
「詳しく言うと?」
「『紫電一閃(エレクトリック・ムーブ)』は操作系。雷、電気などを扱います。最大出力は知りませんけどね。
『狂える力(バンプアップ)』は身体系。肉体のありとあらゆるといっても物理的な力を底上げするだけですよ。」
雷鬼は右手を見た。少し躊躇いがちに扉まで歩き、右手を握りしめ、扉に向かって『狂える力(バンプアップ)』を使った。
大きな音を立てて、扉は見事に吹き飛ばされた。
呆然とする生徒達。雷鬼は気にも留めず、片手で飛ばされた扉を持ち上げ、壁に立てかけた。
そのまま雷鬼は、『紫電一閃(エレクトリック・ムーブ)』を使い、扉を治した。そしてはめなおした。雷鬼はまた席まで歩き始め、弥生の前で止まった。
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