0人が本棚に入れています
本棚に追加
「大体こんな感じです、まぁ、さっきの直したのは、『紫電一閃(エレクトリック・ムーブ)』の変化技です。
理科の授業中に思い付いたので試しにやったら成功したので、情報処理に時間が掛かるのが難点ですけどね」
雷鬼はそう言い伝えると席に座った、何事も無かった様に。
「おい、黄月」
高塚達人が雷鬼に話しかけてきた。彼は少し荒れていて、普通の子なら怖気づく。しかし雷鬼は気にしていなかったが、嫌な予感はしていた。
「なに?」
「充電させて」
充電コードを雷鬼に見せながらきりっとした顔で言う達人。
「……特異能力を隠してる理由は二つ。いじめられる可能性が一つ」
雷鬼は静かに立ち、達人が持っている充電コードのプラグに指をあてた。
「こういう、充電目的の奴がいるからが二つ目!」
雷鬼は叫びながら電気を放った、達人はちょっと焦げた。「けほ」とか言いながら、充電をあきらめた達人。
「ってか、達人君、特異能力で充電できるはずじゃない?」
雷鬼は達人の能力『西風の災害』のことを知っていたのだ。
「え、できんの?」
達人は少し驚いた。
「だって、天候操作系でしょ?雷だって扱えるはずじゃないの?」
「あ」
達人は納得いった顔をした。
「災害って付いてるからってっきり、雷も入ってるはずと思ったのだが……」
「忘れてたというか、思い付かなかった。あんがと、黄月」
達人はどこかで見たことある顔をしながら照れた。
「あ、うん。どういたしまして、達人君」
雷鬼は呆れてものも言えなかった。しかし雷鬼も人のことは言えない。
「でも黄月の珍しいよね、二つの力なのに一つの扱いって」
遠野渚がひょっこり話しかけてきた。
「あ、遠野さん。名前は銃が好きって言ったら二装式ってなったんだよー。ってか、自分で決めた」
「え、まじ?それなら変えようかな?能力名」
渚は驚きを隠せなかった。勝手に決められたと思っていたからだ。
「あれ?遠野の特異能力名ってなんだっけ?」
竜斗が聞いた。
「え?竜斗君。破魔ノ力(マジック・ブレイク)だよ?」
竜斗の問いに怪訝な顔をした渚。
「へーたしか、妖怪退治とかできるんだよな?いいなぁ…」
雷鬼は羨ましそうに渚を見た。
「黄月。あんた昔、してなかった?」
雷鬼の実家のことも聞いている渚は呆れていた。
「ソンナコトワスレマシタ…」
ロボットのように片言で答えた雷鬼。
「こいつは…」
呆れる竜斗や渚達。
最初のコメントを投稿しよう!