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「いいだろ、明日は休みだし」
口を引き結び、
返事はしなかったけど
あたしは立ち上がって常務の後についた。
興味から?
好奇心から?
よくわからない。
この人についていっちゃいけない、
とわかっている。
普段の自分なら
決して自ら危険な穴に飛び込むような真似はしない。
頭ではだめだとわかっているのに……
気になる。
そう、
あたし、なぜか気になるんだ。
突然あたしの前に現れ、
良くも悪くもあたしの心を揺るがす常務のことが。
少しだけ、
ミステリアスな影を持つこの人の事が…―――
そんなこんなで
あたしは花の蜜に誘われる蝶のように歩をすすめ、
常務と一緒にその店を後にした。
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