第4話

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「いいだろ、明日は休みだし」 口を引き結び、 返事はしなかったけど あたしは立ち上がって常務の後についた。 興味から? 好奇心から? よくわからない。 この人についていっちゃいけない、 とわかっている。 普段の自分なら 決して自ら危険な穴に飛び込むような真似はしない。 頭ではだめだとわかっているのに…… 気になる。 そう、 あたし、なぜか気になるんだ。 突然あたしの前に現れ、 良くも悪くもあたしの心を揺るがす常務のことが。  少しだけ、 ミステリアスな影を持つこの人の事が…――― そんなこんなで あたしは花の蜜に誘われる蝶のように歩をすすめ、 常務と一緒にその店を後にした。
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