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幼なじみのよしみでブレダには時々ご飯を作ってやることがある。その匂いを嗅ぎつけて、同じ寮に住んでいる連中も押しかけてくるのだが。
ガタッと大佐は突然立ち上がった。顔は無表情だ。
「先に戻る。コロッケはいらん。」誰かにあげたまえ と続けて言い放った。
「ちょっ…待ってください大佐!!」
今さっきまで軽口を叩きながらも、良い雰囲気で会話をしていたはずだ。自分が何かまずい事でも言ったのだろうか?
「気分でも悪くなったんスか?」
「何でもない。とにかく戻る。」離したまえとハボックの手を振り払おうとしたがびくともしない。瞬間、彼の真摯な青色の瞳と目が合い、密かに心の中でため息をひとつ。
ー鈍感バカ犬ー。
「私にだけだと誓え。」
「ーは?」
何を?
「あのー…いきなりすぎて何を?」誓えばいいんだ?思考がうまくつながらない。先ほどまでの真剣な顔が何とも頼りない顔になる。
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