身近な君へのホワイトデー

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2月18日火曜日 『おはよう。』 何事もなかったかの様な美奈… 「おはよう…」 なんか気まずい… 美奈に無言のまま、見つめられる。 いや…これは睨まれてるのか? 「美味しかった。」 『そ。』 不機嫌そうな顔で去って行った美奈… はぁ… これで俺のやる気スイッチは、パチリと落ちたように感じた。 結局、今日会社ではそれが最初で最後の会話だった。 これで本当に終わりか… 気持ちも乗らず、淡々と時間が過ぎて行った。 明日から外回りに行こうと、未来通信のプレゼン資料を作っていたが… 書いては消しての連続で、終業時間を迎えた頃には何も出来ていなかった。 諦めて家に帰ると、鍋に残った2日目のカレーが切なさに追い打ちをかける。 温めながら、徐々に玄関での出来事を思い出す。 記憶けら抹消したいのに… 抱きしめた感覚… 怒らせた後悔… やっぱり虚しくなる。 そう落ち込んでいると、ピンポーンとインターホンがなった。 美奈!? 俺の家のインターホンを鳴らすのは、NHKか新聞屋のおっさんか美奈しかいない。 慌てて受話器を取る。 『開けて。』 「うん。」 美奈が来た。美奈が来た。 モチツケ俺…モチツケ俺? 落ち着け俺。 あっ!以外とテンション上がってる俺。
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