身近な君へのホワイトデー

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2月21日金曜日 あっと言う間に一週間が終わろうとしている。 未来通信… 何とか小さなスーパーが、お年寄りのためにと前向きに何とか検討してみると言ってくれた。 来週は大手スーパーに殴り込みやぁ! そんなテンションって金曜日の夜を迎えた、会社を出ようとした時、美奈が慌てて付いてきた。 『聞いてやぁ…』 「はいはい。 いつものとこ行こか?」 『うん。』 並んで歩く冬空の下… すぐそばでぷらぷら揺れる美奈の手… 繋ぎたい… 俺の左手、美奈の右手、距離10cm… 体感距離2万光年… 店に入って美奈と2人ビールを頼む。 来たと思ったら、美奈は一気に飲み干し、気が済むまで話すのが通例。 今日も飲み干すのかと思いきや、一口飲んでジョッキを置いた。 「あれ?今日は溜まってない?」 『うん。たまには洋と楽しく飲みたかっただけ…』 「嬉しい事言ってくれるねぇ。」 長年愚痴を聞いて来たけど、こんな事は始めて2人で呑みに来た日以来。 なんか心境の変化でも? ホワイトデーのおねだりに、今日のこれ… 俺、期待しちゃうよ? 今日は本当に楽しくお酒を呑んだ。 「帰ろっか?」 『うん。』 しおらしく頷く美奈を見て、ますます期待する。 帰り道、無言で横を歩く美奈… 今日はめちゃくちゃ可愛いやん! そして、2人の別れ道… 「じゃあ、気を付けて帰れよ。」 『うん。またね…』 マジですか?このしおらしい美奈… 何があった?? 別々の道を歩き出す2人… あぁ楽しかったなぁ。 そう思って振り返ると、美奈がいた。 俺の後ろを着いて来ている。 「帰らんの?」 『めんどくさくなった。 雅史の家の方が近いし…』 「洋や!じゃあうちおいでや。」 『うん。』 マジっすか? とうとう一線超えちゃう? 今日の美奈、なんかやたら女の子… いけんちゃうん!!
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