身近な君へのホワイトデー

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交代で風呂に入り、いつもの定位置… 美奈がベッド、俺がソファ… 『寒いやろ?こっち来る?』 キターッ!! 雪解けは間近ですぜ! 「うん。」 『触れた瞬間にしばくから。』 (しばく=殴る) 「分かった。」 恐る恐る、布団の端を掴み、ベッドに潜り込む。 同じシャンプーの匂いのはずなのに、ふわっと包まれる香りに、男の本能が目覚めそうになる。 その瞬間、クルッと寝返りを打った美奈は、俺に完全に背中を向けた。 何もしませんよ… 同じベッドの中なのに背中合わせの2人… なんだよこれ… 生殺し… 朝、俺は心地良い目覚めだった。 なぜか、美奈をハグしている。 手が胸の膨らみにピタッと吸い付いていた。 げっ? これ、美奈にしばかれるよな? 焦る俺… でもまだ規則的に刻む吐息。 まだ寝てる… 大丈夫。 もう少しだけこのままいよ… 気が付けば、もう1度眠りに落ちていた。 もう1度目が覚めた時、目の前には美奈がいなかった。 もうお昼前になっていた。 とりあえず、コーヒー。 ダイニングテーブルに着くと、メモが置いてあった。 『変態』 と書かれただけのメモ… げっ? 完全にヤバい感じ? とりあえず、美奈に電話を入れると、コールのみ… 何度かけてもコールのみ… やっぱり怒ってる? 触ったから? 抱きついたから? 手を出さなかったから? それはないか… あぁ…月曜日はまた憂鬱な朝になるな…
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