身近な君へのホワイトデー

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「山下部長。 謝るのはこちらの方です。 うちの役員が、お宅の社員に非礼をした事を今日は詫びに参りました。 頭を上げて下さい。」 俺たちが頭を上げると、頭を下げた高田社長がいた。 大手スーパーの社長ともあろう人が俺たちに… 頭を上げた高田社長が口を開く。 「山下部長。いい部下をお持ちですね。 昨日の行動で、私たちの本来あるべき姿がわかった気がしました。 スーパー業界は値段競争ばかりしてきた。 そこに彼は言った。 未来システムは困った人のためのシステムで、親切な企業にしか使って欲しくない。 うちのスーパーもこれだけ展開するまでは、親切さが売りだった。 でも、役員がこんな状況で…」 「いえいえ…立派な企業ですよ。」 山下部長は必死にフォローをしている。 「今回、ここでうちも生まれ変わろうと思います。」 「と言いますと?」 山下部長が聞く。 「地域の困っている人たちのために、改めてこのシステムを全店舗で導入をお願いしたい。」 「ほんとですか?」 思わず声が出た。 「宮下君。 本気でやるよ。 毎日牛乳の一本でも配達させる。 地域の人の顔を毎日見に行け。特にお年寄りには親切にしろ。 こういう事をやるにはいくらいるのかわからないが、とりあえず銀行とも相談して出せるだけ出す。 とりあえず、宮下君…費用を整理してくれるか?」 「はい!すぐやります!」 「期待してるよ。 あっ、あと君の想い人に申し訳ないと伝えて欲しい。」 「なら、一つお願いがあります。 ある物を探して欲しいんです…」 高田社長は喜んで請け負ってくれた。 ホワイトデーのプレゼントの一つに目処がつき、仕事まで目処がついた。 ホワイトデーまで突っ走るでぇ!
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