主人と使い魔の距離

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「くっ......どうして邪魔をするんだ!」 勇者(仮)真面目にそう聞いてくる。っていうかこいつ知らないのか? 「あのなぁ、禁忌召喚を行ったってことがどういうことが分かってるのか? あれは命に対する冒涜なんだよ。だから魂を回収することでその罪を浄化するんだぞ?」 ちなみに、魂を管理する冥界は全世界共通だと言われている。 「嘘だ!そんなことがあるはずかない!」 勇者(仮)は俺の話を全く聞かず、俺に斬りかかってくる。俺は聖剣の側面に触れて軌道を逸らす。 「くそっ、なんで当たらないんだ!」 「やめとけ、体力の無駄だ」 今は、身体全体を龍力で覆い、さらに部分的に神力を纏っている。人間がどうこうできるレベルじゃない。 『ソノモノ、タマシイノカイシュウハスンダ。レイヲイウ』 どうやら無事に回収出来たようだな。 「気にするな。あいつらは禁忌を犯したんだからな」 死神は再び『レイヲイウ』と言って召喚陣から戻っていった。さて、あとはこの勇者(仮)だけだな。 「よくも......よくも.....人の命をなんだと思ってるんだ!」 勇者(仮)は凄まじいスピードで俺に向かってくる。 振り下ろされる聖剣を余裕を持ってかわした俺は、その勢いを利用して勇者(仮)の後頭部に蹴りをぶち込んだ。
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