主人と使い魔の距離

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「あ........がっ.......」 勇者(仮)は顔中の穴から血を噴き出し、崩れるようにその場に倒れた。 衝撃を体内に反響させたのがまずかったかな.....。 まぁ、いいや。静かになったし。 辺りが静まり返る中、俺は自分を喚んだレミオの元へと戻る。 「さて、契約するか」 「だっ、誰があなたなんかと契約すると思うのよ!」 一瞬で俺の背後にまわるレミオ。だが、それは読めている。 「甘いな、【シャドウバインド】」 久々に使う影属性でレミオを拘束する。魔力も結構込めたから壊れないだろう。 「なっ、なにをする気よ!?」 「何って.......決まってるだろ?」 俺は身動きの取れないレミオに近づき、手を頭の上に置いて魔力を流し込む。 すると、互いの右手の甲が光り、紋章が浮かび上がる。 それは白い十字架から青と銀の翼が生えたような模様だった。 「へぇ~、これが俺の契約紋か」 「ちょっと!なんで勝手に契約してるの!?」 おっと!レミオを拘束していたことをすっかりと忘れていた。 俺は指を鳴らし影の拘束を解く。その瞬間白炎と黒炎が俺を襲うが、奪妃を喚びだして切り刻む。 「なぁ、とりあえず話をしようか?」
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