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「お父さん、お母さん」
「なんだい、レミ?」
あれ.....?ここは!?
目の前にはお父さんとお母さんとその間で手を繋いでいる少女がいる。
「今日はどこ行くのー?」
「今日は5歳の誕生日だ。検査を受けたらそのあとはご馳走が待ってるぞ?」
「ごちそー!ごちそー!」
あぁ、駄目........そっちへ行っちゃ!
必死に止めようとしても無駄.......だってこれは夢なんだもの。
次に場面が変わる。少し狭目の部屋には先ほどの親子、それから大人の女性が2人いる。
「じゃあ今からレミの持っている魔力を測るからな?」
「まりょくー?」
「あぁ。この水晶玉に手を置いてくれるか?」
少女は「うん」と笑顔で頷き、水晶玉に手を置く。悲しい結果があるとも知らずに......。
「ま......魔盲だと!?」
「そ、そんなぁ.......」
目を見開くお父さんと涙を流すお母さん。少女はまだこの状況を理解できないでいた。
「おいっ!さっさとここに入れっ!」
再び場面が変わる。今度は薄暗い牢屋に少女が閉じ込められる場面だ。
「どうしてっ!お父さん!」
「黙れ魔盲が。もはやお前に存在価値はない」
お父さんは冷たくそう言い放ってその場から立ち去る。少女は悲しみに沈んだ。
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