出会いは急にやってくる

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一足先に転移で闘技場へと向かう。すでに多くの生徒が集まっていた。 「全く........群れるのは嫌なのに.....」 正直、集団っていうのは苦手。学校だって義務じゃ無ければ絶対通って無かったし.....。 まぁ、今更愚痴っても仕方ないし、隅っこの方で順番が来るまで待とうかしら。 「おー!レミオ、おはよー!!」 「あら、ヘイト。相変わらず馴れ馴れしいわね」 闘技場の端で他の生徒の召喚の儀を眺めていると、1人の女子が声をかけてきた。 緑色の長髪は大人っぽく巻いていて、それに服の上からでも分かるスタイルの良さ。 宝石のように輝く翡翠色の瞳、スッと通った鼻、ぷるんぷるんの唇。おまけに肌も白くて綺麗。 まさしく美人と呼ぶにふさわしいその女子の笑顔はまるで女神のようだった。 彼女の名前はヘイト・アクセラ。私と普通に会話できるたった1人の生徒よ。 「もう!レミオはいつもそうなんだから!笑顔だったらめちゃくちゃ可愛いのに.....」 「うるさいわよ!」 近くで騒ぐヘイトに黒炎を放つ。しかし、ヘイトはそれを水属性の魔法で消し去る。 「駄目だよレミオ。すぐに魔法を撃つのはやめようって言ったでしょ?」 このヘイトが私と対等に話ができる理由、それは彼女が魔法で私と渡り合えるから。
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