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敦子「ごめん、ちょっとキツい言い方になっちゃったね」
教室を間近に、敦子は振り向き後味悪そうに謝罪した。斗真もまさか謝られるとは思っていなかったらしくたじたじとしていた。
斗真「いや!?別に謝ってほしくて嫌みっぽく言ったんじゃなくて…」
敦子「フフッ、知ってるよ。斗真は優しい人だもんね。私の事を思って言ってくれたんだってちゃんと理解してる」
微笑む敦子は歩き出すとポカンとしている斗真を置いて先に教室に入っていった。
最愛の幼馴染みが亡くなり、絶望の淵に叩き落とされた敦子を救った一人として斗真がいるのだ。
斗真の献身的な優しさには敦子もちゃんと気づいている。
敦子「おはよう」
敦姫の席は窓際から2列目の後ろから3番目。その周囲の席には友人達が集まっていた。
優子「おはよー」
陽菜「席借りてるね」
【東城 優子】と【古宮 陽菜】。二人とも敦子の友人だ。
敦子は鞄を机に掛けて陽菜が退けた自分の席に腰かけた。
陽菜「優ちゃん失礼しま~す」
優子「あはは、いらっしゃ~い♪」
陽菜は優子の所に腰掛け、優子はそれを受け入れる。
頬杖をついて敦子は二人のやり取りを眺めていた。
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