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そしてこの日も特になんの変哲のない平和な1日が過ぎていった。そして今は放課後。
美海「敦子、帰ろう」
帰り支度を終えた美海が敦子を誘う。その後ろには優子や陽菜達が雑談をしていた。
敦子「ごめんね、今日会いに行かなきゃ」
美海「あれ?今日だっけ?」
敦子「ううん、朝からずっと考えてて。そしたら何だか会いたくなっちゃって」
美海「そっか~…。分かった」
敦子「誘ってくれてありがとね。また明日」
美海「うん、気を付けてな」
美海と別れを告げ先に出たのは美海御一行。その五分後に敦子が校門を潜った。
バスを使い向かった先は山にあるお寺。その付近にある墓地に用があったのだ。
その1つの墓石の前に立ち敦子は微笑を浮かべた。しかしその笑みには喜びよりも悲しみに近い笑み。
春茉家之墓
敦子「何度もゴメンね。会いたくなっちゃって来ちゃった……純平」
最愛の幼馴染み【春茉純平】が眠るお墓。
敦子「3日前も来たんだけど、今日は無性に会いたくてね」
お供え物をあげると線香に火を付け手を合わせる。目を閉じると瞳の奥に映るのは屈託のない純平の笑顔。
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